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【レースレポート】CJ-U 勢和多気国際XCO

大会名:Coupe du Japon 勢和多気国際XCO(CJ-U/UCI C3)
開催地:勢和の森マウンテンバイクコース(sfm)
開催日:2017年5月21日(日)
出場カテゴリー:女子エリート(佐藤)、男子エリート(小野寺/竹内)

国内屈指のテクニカルコースとして三重県多気町に常設されている勢和の森マウンテンバイクコース(sfm)にて2年ぶりに開催されたCJ-U勢和多気国際XCO。『古道』『キャニオン』『獅子落し』『石清水』など、それぞれのセクションに名称が付いた名物コースは、国内トップクラスの実力を持つエリートカテゴリーの選手でも躊躇するほど、日本ではなかなかお目にかかれない作り込みがなされたコースです。前日の公式練習日では、多くの選手が『古道』『キャニオン』『獅子落とし』のそれぞれのセクション攻略のため、他の開場ではあまり見られない反復練習が行われており、海外のレースでよく見る光景であると、とても良い傾向と感じました。特に日本のコースでは、ラインを複数で考える選手が少なく、自らが走れるラインのみでインスペクションを終えてしまうため、そこが走れなくなる場合のリカバリーや、もっと早く走れるラインを事前に確認する選手が少ないと感じています。ましてや歩いてコースをチェックする選手は皆無。なので、当チームは私がコースに入って歩いてチェックして、選手と情報を共有します。竹内も佐藤も最後までセクションを繰り返し、決勝日に向けた準備をしっかりと重ねました。

[澄んだ青空に生えるチームブース]

[リラックスした表情でインスペクションを行う小野寺]

5月21日(日)レース当日。佐藤はレース1時間前に、いつもどおりのウォームアップメニューをMINOURA FG-540で行います。佐藤のレースは12:05スタート。機材は十分、レース中のクールダウン用の氷と掛水も十分に準備しました。今回のレースも前節のびわ湖高島同様、アジア選手権日本代表の小林選手(MTBクラブ安曇野)、今井選手(TEAM SCOTT)、武田選手(Liv)が顔を揃えます。佐藤には、できるだけ前でレースを展開することを指示し、スタートから全開で行き、捕まったらそこから1分以上離れないという約束事をしました。スタート直後から、予定通り佐藤は調子が良いのか、スルスルと先頭に立ちファーストループに入っていきました。

[ウォームアップで集中する佐藤]

[セクションをクリアする佐藤]

同時出走となるジュニアカテゴリーの選手が元気よく、佐藤は5番手でファーストループを終えます。昨日、徹底的にセクションの反復を行いましたが、唯一苦手意識を持ったままレースに臨んだスタート後、最初に現れるセクション『古道』をクリアすることができず、エスケープルートを通過する佐藤を確認した私は、その後のタイムに大きく影響するだろうと予想しました。4つの名物セクションの内、3つのセクションにエスケープルートが設定されています。これは、セクションにトライできないライダーが、エスケープルートを走ることによって、タイム差は付けども先に進むことができます。しかしながら1セクションで10秒はロスすることになりますから、合計30秒は1周あたりで遅れることになります。女子エリートカテゴリーは4周回で争われますから、2分はロスする計算になりますので、どうしてもセクションにトライさせたかったのですが、結局佐藤は最後までリスクを取らずにエスケープルートを通過することになりました。この辺りは早急な改善が必要な課題と考えます。しかしながらレースは、2周回目から徐々にペースを上げ、先行するライダーをパスしていき、3周回目で大きく順位を上げることに成功した佐藤は、結局2位の今井選手に約2分の差で堂々の3位入賞を果たしました。佐藤自身、女子エリートカテゴリー初の表彰台となり、まずは一歩前進できた事を喜びました。

[自身初の女子エリート表彰台を獲得した佐藤]

佐藤の表彰台によってブースは盛り上がり、小野寺と竹内もしっかりとウォーミングアップを終え、集中力は最高潮。良い結果を期待します。13:30スタートの男子エリートに出場する小野寺と竹内は、前日のコースインスペクションでコースは完全に頭に叩き込まれています。前日、竹内が『キャニオン』と『獅子落とし』のセクションを苦手としながらも、しっかりとコースインスペクションで攻略しており、あとは普段通りのパフォーマンスを発揮するだけです。

[レース前、集中してウォームアップに臨む竹内]

レースは69名が出走。スタート最前列からスタートの小野寺は、ペダルキャッチも完璧に、勢いよくスタートしていきます。竹内の方はペダルキャッチをミスし、やや出遅れますが9位前後でコースイン。最初のループを終え、『古道』セクションから勢いよく飛び出したのは、平林選手(SPECIALIZED RACING JAPAN)、それに続き小野寺が快走を見せます。沢田選手、平野選手のBRIDGESTONE ANCHOR勢、またMIYATA-MERIDA BIKING TEAMとトップチームが続き、その中に現在波に乗る前田選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)が入ります。竹内も1列棒状で続く集団の中、20位前後でセカンドループに入っていきました。

[迫力の男子エリートのスタート]

テクニカルでハイスピードな勢和多気のコースは1周のラップも13分前後とかなり早いラップで進みます。気温も更に上がり、5月中旬にも関わらず汗が噴き出してきます。フィードゾーンでは、選手のクールダウン用に氷で冷やした水を準備していますが、どんどん氷も解けていき、すでに真夏に近い状態。そんな中、ファーストラップをトップで通過したのは平林選手と前田選手、BRIDGESTONE ANCHORの沢田選手、MIYATA-MERIDA BIKING TEAMの恩田選手がパックで通過。その後、竹之内選手(Toyo Frame)や門田選手(TEAM GIANT)などのベテラン勢がトップ集団を追走。その後ろに小野寺、竹内が10位前後で追いかける形でセカンドラップに入りました。

[キャニオンセクションをクリアする竹内]

[上がらないスピードに苛立つ小野寺]

ここ勢和多気のコースは、スタート直後とファーストループを終えた後にそれぞれ1ヶ所ずつのフィードゾーンが設けられており、トップチームはそれぞれにフィード用品を置き、選手がゾーンを通過した後に、フィード用品を持って走って別のフィードゾーンに移動します。今レースは、いかに選手をオーバーヒートさせないかが鍵となり、トップチームのフィーダーは、全身から汗を噴き出させ、大量の水と氷を持って走り回りました。

セカンドラップを終えた選手がフィニッシュゲートを次々と通過し、10位前後の小野寺と竹内のために準備をして待っていても、小野寺も竹内も来ません。じきに竹内が20位前後でフィードゾーンを通過。まだまだ目は死んでいない。しかしながら、すでに40名は通過していますが小野寺が帰ってきません。昨年、このレースで小野寺はヘルニアからくる腰痛でリタイアを喫しました。私は、また再発か?と嫌な予感が脳裏をよぎります。このまま待ち続けると、第2フィードで竹内のサポートができないため、サブで入ってもらった佐藤にボトルを預け、第2フィードまで走ってもらいました。私は小野寺を待ちますが、最終走者が通過しても小野寺が帰ってこなかったため、小野寺のサポートを打ち切り、竹内一人に絞ります。

[懸命に前を追う竹内]

竹内は、びわ湖のレース以降、アジア選手権を含めて原因不明の体調不良に悩まされており、以前のようなキレのある走りを見ることができません。正直今レースも、どうなるかは全く予想できませんでしたが、びわ湖やアジア選手権のような様子は見受けられず、苦しいながらもレースをしていることがわかりましたので、監督としては全力で走らせることに集中しました。周回を重ねるごとに徐々にポジションを落としていきますが、気持ちは折れていないことがわかります。大事なのはレースを止めないことであり、走れるという自信を取り戻すことなので、何とか完走をさせてあげたいと願い、とにかく体を冷やし続けました。
途中、スタッフから小野寺がブースに戻ってきたことを確認し、安心して竹内に集中しましたが、残り1周回で竹内は80%ルールにより降車。-1ラップでレースを終えました。

チームは、八幡浜、びわ湖と2戦続けて機材とのマッチングに苦しみ、竹内はびわ湖から原因不明の体調不良で、アジア選手権を含めて思うように動かない体に自信を失ってしまいました。前半戦の3つのレースを終え、初戦の菖蒲谷こそ期待が持てる結果が出せたものの、本格的なシーズンインからは全く空回りしている現状について、スポンサー・サプライヤーの皆様に深くお詫び申し上げます。

公式リザルト
エリート女子
1. 小林 可奈子 長野県 MTBクラブ安曇野 1:08:58.41
2. 今井 美穂 群馬県 TEAM SCOTT 1:10:42.50
3. 佐藤 寿美 神奈川県 drawer THE RACING 1:12:46.27
4. 武田 和佳 埼玉県 Liv 1:14:45.69
5. 橋口 陽子 東京都 Team 轍屋 1:14:53.79

エリート男子
1. 前田 公平 東京都 弱虫ペダル サイクリングチーム 1:19:13.68
2. 恩田 祐一 新潟県 MIYATA-MERIDA 1:19:22.16
3. 平野 星矢 長野県 Bridgestone Anchor 1:20:10.01
4. 沢田 時 滋賀県 Bridgestone Anchor 1:20:32.56
5. 竹之内 悠 大阪府 Toyo Frame 1:20:36.23
35.竹内 遼 神奈川県 drawer THE RACING -1 Laps
65.小野寺 健 神奈川県 drawer THE RACING -4 Laps

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