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【レースレポート】CJ-1 富士見パノラマXCO(春)

大会名:Coupe du Japon 富士見パノラマXCO(CJ-1)
開催地:富士見パノラマリゾートクロスカントリーコース
開催日:2017年5月28日(日)
出場カテゴリー:女子エリート(佐藤)、男子エリート(小野寺/竹内)

前日の夕方に行われるチームマネージャーズミーティングで、男子エリートカテゴリーの周回が発表されると会場はざわめきました。コミッセールによって決定された周回数は8周回。過去10年を振り返っても8周回という例はなく、相当な長丁場が容易に想像できました。近代五輪100周年となった1996年アトランタ五輪で正式種目となったマウンテンバイククロスカントリー。この年より、クロスカントリーというフォーマットが、XCO(クロスカントリーオリンピック)となり、現在のUCIレースの基本になっています。競技時間の目安としては1時間20分~1時間40分とされ、その時間でトップがゴールするようなコース設定を行う事が基本となるため、今回のトップゴールタイム1時間49分がいかに過酷かが理解できるでしょう。

チームオフィスから近いレースという事と、走り慣れたパーマネントコースであることから、お昼頃にチームオフィスを出発し、2時過ぎに現地到着というスケジュール。小野寺と佐藤が現地入りし、昨夜から降り続いた雨によって多少路面コンディションが悪いことが予想されましたが、走行可能として2時間ほどトレーニング。多少の雨でもマッドな状態になることは無く、ドライタイヤでも十分に対応できました。タイヤは、ミシュラン Wild Racer 2.25を使用。このタイヤは、主にドライコンディションで使用していますが、多少のルーズであれば十分に対応できます。使用空気圧は1.2~1.6bar。特に当チームの選手は体重も無く、身長も低い小柄な選手ばかりです。先日、チームサイトのインプレッションページでも紹介しましたが、Wild Racerは本当に素晴らしいタイヤだと思います。

逆に、FORCE XCは大変なグリップ力を持ちながらも転がり抵抗の低いタイヤです。ドライコンディションではグリップがありすぎると見る選手も多く、小野寺の様なベテランはWild Racerを好み、グリップ走行をしたい竹内はFORCEを選択。今回竹内はレース当日FORCE XCで走行しています。

前夜からずっと雨が降り続け、コースコンディションの悪化が心配されましたが、9時前に会場に着くと、問題はありませんでした。むしろ問題は暑さ。本日も30℃を超える暑さが予想され、事前に氷を大量に調達し、選手のボトルと補給用ゼリーを冷やします。

佐藤のレースは11:02スタート。思った以上に暑さは感じず、日陰に入るとむしろひんやりとした空気が寒さを感じる程です。が、日差しの中を走る選手が少しでも消耗しない様、WAKO’S Aggressive DesignのTop Athlete Sun Protect “Fighter”は手放せません。選手はもちろん、スタッフもこの日焼け止めで体力の消耗を最小限に抑えます。レース中のクールダウン用の氷と掛水も十分に準備しました。

[ウォームアップを行う佐藤]

前節の勢和多気XCO同様にアジア選手権日本代表の小林選手(MTBクラブ安曇野)、今井選手(TEAM SCOTT)、武田選手(Liv)が顔を揃えます。また、勢和多気に参加しなかった、佐藤と実力が拮抗する中堅選手も多く参加。特に寺田選手(自転車村R)や橋口選手(Team轍屋)の走りには注意が必要です。佐藤には、できるだけ前でレースを展開することを指示しますが、勢和多気よりも長丁場になること、またかなりのパワーレースになることが予想されましたが、あえて今井選手、武田選手から1分以上離れないという約束事をしました。スタート直後、エリートとジュニアの選手が絡む落車がありましたが、佐藤はスタートからすぐに2番手につけ、落車の影響なく最初の上りをこなします。

[スタート後、ジュニアを含む数人が落車。佐藤は巻き込まれずスタートを切ります]

まだまだ筋力的に劣る佐藤は、富士見のようなパワーとスピードが要求されるコースに対して、苦手意識があると思います。昨年のレースでも途中で辛さに耐えきれずにフィードゾーンで立ち止まることがしばしば見受けられましたが、時間的な長さも、強度も高くなるエリートカテゴリーで走る初めての富士見でどのようなレースをするか、監督として心配でもあり楽しみにもしていました。

最初のつづらの上りを2位で通過し、その後の幟返しで4位でフィードゾーンを通過。呼吸は荒いですが、よく集中できています。トップは前節、勢和多気で約2分届かなかった今井選手、続いて武田選手、小林選手。その後トップから約1分遅れで佐藤が付けおり、まずまずの展開。しかしながら、その後ろ約60秒に橋口選手、寺田選手と、強度が上がるほど、時間が長いほど強さを発揮する選手が虎視眈々と佐藤の後姿を見ています。セカンドラップで佐藤は、橋口選手と寺田選手につかまり、同じパックで走るよう指示しますが、自力で劣る佐藤はじりじりとその差を広げられます。

[単独での走りを余儀なくされた佐藤。課題は絶対的なスピード]

フォースラップの第1フィードで佐藤は腰の痛みを訴えますが、ここで降りたら、止め癖が付いてしまいます。披露した上半身が自身の体を支えられず、腰が前に引っ張られることによって発生する痛みと判断し、楽な姿勢で走るよう指示、その後はファイナルラップまで、すでに腕の力はほとんど入らない中で、6位でフィニッシュしました。ゴール後は、意外とケロッとしており、呼吸が苦しいわけでも、足が辛いわけでもない、ただ腰が痛いだけだったという佐藤に、やるべき課題が明確であることを共有し、全日本までの1か月半は減量と上半身の筋力強化の再確認をしました。

いよいよ富士見の男子エリートです。小野寺は前節でのポジション変更を元に戻し、完全復調で上位入賞を。竹内は、不調ながらも前節-1ラップで終えられたことから、得意の富士見でまずは完走を目標に自信を取り戻すことが重要です。ウォームアップも実に集中した表情を見せた二人は、ステージングに向かいました。フィードスタッフも3名体制で、万全を期します。

[長い戦いに備えた入念なアップを行う小野寺と竹内]

13時45分。予定通り81名の選手によって8周回で争われる長い長いレースがスタート。1列目外側に位置する小野寺と2列目中央に位置する竹内。スタートから一気にスピードを上げ、最初のシングルトラックセクションに10位以内で入る必要があるため、ここでの位置取りは大変重要な意味があります。どのレースも同じように最初のセクションに以下に早く入るかが重要なため、ここでの遅れは致命傷になります。

[富士見名物の砂利のストレート。狭く、落車が起きやすいため慎重かつ大胆なスタートが必要な難しいスタート]

今レースも前節同様に平林選手(SPECIALIZED RACING JAPAN)、勢いに乗る前田選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)、沢田選手、平野選手のBRIDGESTONE ANCHOR勢、またMIYATA-MERIDA BIKING TEAMとトップチームが続きます。小野寺は4位、竹内も9位で最初のシングルトラックセクションに消えていきました。第1フィードを選手が通過すると、そのスピードと走行ラインから、このフィードゾーンでの補給がロスになることが確定し、ほぼ機能しないとわかると、ここから一気にフィードゾーンは慌ただしくなります。
全てのフィードは第2フィードに切り替える必要があるので、3名のスタッフの配置を再確認し、フィードミスが起こらない様に万全を期します。

[フィードミスを絶対に起こさないよう、細心の注意を払って選手をサポート]

つづらの上りを終えたトップグループは、ほぼ一列棒状で第2フィードを通過。もちろんスピードに乗っている集団になりますので、ほとんどの選手はそのまま通過していきます。小野寺と竹内も、それぞれ9位10位のポジションで前に続きます。

[ログ&ロックを抜ける小野寺]

ファーストラップを制したのは前田選手。ラップタイムは13分7秒。いつもの富士見と比較してみるとコース終盤の登坂区間がほとんどないため、1分弱早い形になります。竹内、小野寺の順に9位10位でファーストラップを終了。トップからは約20秒のビハインドとなり、十分に追いつくことができます。セカンドラップは、依然として平林選手、前田選手、恩田選手がやや先行、そこにBRIDGESTONE ANCHOR勢が追走し、前週に王滝100㎞で優勝した宮津選手(PAX PROJECT)、門田選手(TEAM GIANT)、また若手の上野選手(MASAYA YOUNG RIDERS)が上がってきました。この周で小野寺、竹内共にラップタイムをファーストラップよりも50秒も下げ、順位は大きく変わらないまでも、先頭との差は約2分と離されていきます。

[大岩を抜ける竹内]

恐らく小野寺は、走りながらなぜ自分がその位置で走っているのか理由がわからず、一方竹内は、今レースは小野寺と一緒のペースで走れていることに、やや自信を取り戻した表情を見せます。お互い納得がいかない不安定な気持ちながらも、とにかく前を追うという強い気持ちを見ることができたフィーダーチームは、補給ゼリー、ボトル、クールダウン用の掛水をしっかりと補給し、最善のサポートに徹します。

4周回目の第1フィード。自身の時計を見ると、スタートからすでに42分が経過。まだ半分も終わっていないのに・・・。選手の負荷が相当高いことを覚悟しつつ、8周回まで水と氷を絶やさない様、注意深く管理します。レースは5周回目で大きく動きます。それまで平林選手が先頭パックを引いていましたが、一気にペースダウン。前田選手がペースアップを図り、単独トップの体制に入ります。同様に竹内もこの周回から一気にペースダウン。6周回目には一気に25位までポジションを下げる程に。ただ気持ちは折れておらず、こちらの指示にもしっかり反応していますので、何とか完走させてあげたいと激を飛ばします。小野寺も3周回目以降ペースを落とすも、その後、後続のスピードに合わせて一気にペースアップ。この辺りは小野寺が調子が上がらないながらもプッシュをする方法を知っているベテラン選手ならではのスキルです。

[レース終盤、驚異的なプッシュでポジションを上げる小野寺]

レースは1時間30分を超え、いよいよラストラップへ。すでにどの選手も疲労困憊という状態で、気持ちを折らずに前を見続けることができる選手だけが完走できる状態。そのままペースを大きく崩すことなく、1時間49分という異例の走行時間で前田選手が今季3勝目を上げました。小野寺は10位でフィニッシュするも、出し切った様子ではなく、自身のパフォーマンスが悪いのか?機材がマッチしていないのか?はたまた周りが早いだけなのか?原因が全く分からないレースに、いつも以上に冷静ながらも落胆を隠せない表情をしていました。竹内は-1ラップとなりながらも、自身なりにレースができた感覚に喜び、次につなげていく前向きな表情でレースを終えました。

チームは、公式戦4戦を終えて、結果が出ていません。しかしながら、誰一人落ち込むことなく、レース後の食事では、次への方向性を確認するコミュニケーションをとることができました。次節は、2週間後、石川県白山市一里野スキー場で開催されるCJ-1 白山一里野クロスカントリーとなります。

今レースも当チームへの多大なるご支援に感謝し、次のレースにつなげてまいります。
drawer THE RACINGにご声援をいただきました全ての皆様にお礼申し上げます。

 

公式リザルト

エリート女子
1.今井 美穂 群馬県 TEAM SCOTT 1:26:57.25
2.小林 可奈子 長野県 MTBクラブ安曇野 1:27:35.85
3.武田 和佳 埼玉県 Liv 1:30:32.41
4.橋口 陽子 東京都 Team 轍屋 1:33:22.95
5.寺田 有希 愛知県自転車村R 1:34:17.11
6.佐藤 寿美 神奈川県 drawer THE RACING 1:38:09.74

エリート男子
1.前田 公平 東京都 弱虫ペダル サイクリングチーム 1:49:32.40
2.恩田 祐一 新潟県 MIYATA-MERIDA 1:50:44.45
3.沢田 時 滋賀県 Bridgestone Anchor 1:51:54.22
4.平野 星矢 長野県 Bridgestone Anchor 1:52:44.61
5.小坂 光 栃木県 MIYATA-MERIDA 1:53:29.35
10.小野寺 健 神奈川県 drawer THE RACING 1:56:52.0623
23.竹内 遼 神奈川県 drawer THE RACING -1 Laps

 

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